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オフショア開発の問題点
オフショア開発に問題はある?失敗しないためのポイントを紹介
オフショア開発の目的は利益を追求するためのコスト削減にあります。
オフショア開発は1980年代から始まりましたが当初は中国が中心でした。しかし中国での人件費の高騰から現在ではアジア諸国にシフトしています。
しかしそれに伴いさまざまな問題が起こるようになります。そこでこの記事ではオフショア開発における問題点と、失敗を未然に防ぐためのポイントについて解説しています。
オフショア開発について検討されている方はぜひ最後までお目通しください。
オフショア開発が利用される背景とは?
オフショア開発が利用される背景には2つの大きな理由があります。
1つには冒頭で述べた通りコスト削減ですが、いま1つにはITエンジニアの深刻な人手不足があります。
経済産業省の調査によると、2030年には40万人から最大で79万人のITエンジニアが不足するというデータが出ているのが現状です。
今でさえIT業界は慢性的な人手不足にあるわけですが、今後10年で事態は深刻化していくことになります。
つまりオフショア開発はコスト削減と人手不足を補う一石二鳥の開発手段ということになります。
オフショア開発の問題点
オフショア開発はコスト削減と人手不足を補う一石二鳥なのは確かですがさまざまな問題点も抱えています。
文化や国民性の違いから生じる誤解や行き違いや言語の違いからくる開発内容の理解不足などです。
それらを適切に管理して開発を成し遂げなければなりません。それぞれ重要な課題になりますから丁寧に見ていきましょう。
問題点1:文化や国民性の違い
国が違えば当然文化や国民性は異なります。
また時には宗教も絡んでくるため、単純に問題解決できない場合も考えなければなりません。
日本の文化や慣習を押し付けると、大きなトラブルに発展しかねないので注意が必要です。
日本人は一般的に時間には厳格です。
しかし海外の方は、基本的に時間にはルーズだと感じるでしょう。
また、日本人は完璧さを求めますが、国によって完璧の基準に違いがあることも理解しておくべきです。
問題点2:開発内容の理解不足
言語が異なることから開発内容が十分理解されないことも生じます。
開発の窓口に当たるエンジニアは日本語に堪能な人物が多いのですが、実際に開発をすすめるエンジニアはそうではありません。
また日本語に堪能なエンジニアであっても仕様書を正確に現地の言語に翻訳するのはなかなか厄介な作業でしょう。
それらの事情が重なって結果として開発内容の理解不足に陥ることがあるため注意が必要です。
問題点3:管理不足
オフショア開発は海外で作業が進められるので商習慣や品質に対する考え方の違いから、管理する工程がどうしても増えてしまいます。
開発先が日本とあまり馴染みのない場合は特に丁寧に管理しなければなりません。
これはなかなか厄介なことで行き届かなければ管理不足という事態になってしまいます。しかし日本からのオフショア開発に慣れている開発先であればこうした事態を避けることができます。
つまり開発先をどこに決定するのかは極めて重要なことなのです。
オフショア開発で失敗しないためのポイント
オフショア開発で失敗しないためのポイントは大きく3つあります。
納期や進捗報告の明確化や密にコミュニケーションを図ること、そして現地の文化や慣習を理解しそれを尊重することです。
これらのポイントは極めて重要なことなので、それぞれ具体的に解説していきましょう。
ポイント1:納期や進捗報告の明確化
まずは納期を明示して作業の進捗状況をこまめに報告させることです。
しかしこれには大前提があります。すなわち仕様書には日本語特有の曖昧な表現を使ってはいけません。
あやふやな仕様書では進捗報告の明確化や納期の厳守にはつながらないでしょう。明確化を求めるのであれば最初から明確な指示を与えなければなりません。
ポイント2:密なコミュニケーション
普段からオフショア開発先と密なコミュニケーションを取ることも大切です。
言語が異なるからといってコミュニケーションに及び腰ではいい成果物は得られないでしょう。
一緒に仕事を進めて行くわけですから言葉の壁を乗り越える必要があります。こちらが一生懸命かつ丁寧に接すれば相手には必ず伝わります。
時には日本のアニメの話など仕事以外の話題もコミュニケーションを図る上では重要です。
ポイント3:文化や慣習を理解する
その国の文化や慣習を理解することはとても重要です。
例えば日本では上司が部下を叱責する際には他の社員がいる前で行う場合もあります。
しかし東南アジアの多くの国々では、同じことを行うと深く恨まれる場合も考えられるため注意が必要です。
また日本人は一般的に宗教には頓着しませんが、イスラム圏では宗教が厳格で戒律を厳しく守ります。礼拝の時間に仕事を押し付けたらどうなるか。容易に想像ができるでしょう。
その国の文化や慣習を尊重することが大切です。
まとめ
オフショア開発の問題点と失敗しないためのポイントを解説してきました。
オフショア開発を円滑に行うためには、まずは一緒に仕事を進めて行くという姿勢を示すことが大切です。
下請けだから言うことを聞いて当然といった態度では成果物もそれなりのものにしかならないため注意しましょう。
2021-12-14 15:49